第1回「被災地を撮ること/見ること」
−映像で話す場所−
日時:2012 年 8 月 25 日(土)18:30−20:30(開場 18:00)
会場:せんだいメディアテーク7F スタジオa
参加無料(申込不要)直接会場へお越しください。
私たちは、2011年3月11日から1年以上がたった今、個人の中で埋もれたままになっている言葉を、映像を見て感想を語り合うことで掘り起こしたいと思っています。「被災地」と呼ばれながら、状況は様々な各地域、東北から遠く離れた場所、人と人の間や時間の経過など、今の私たちを取り巻くいろいろな形の「距離」を上映の大きなテーマにしつつ、参加者が自由に話す場をつくることで、「震災後を生きる」個人の声を記録に残していきます。
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第1回「被災地を撮ること/見ること」
震災直後からの1年で撮られ放送・上映された震災関連の映像(報道・映画・ドラマ・記録映像など)を見て、どのように受け止めましたか?客観的に見られた方、直視できなかった方、違和感を覚えた方、様々に感じたのではないでしょうか。震災関連の映像を見ながら、撮影した人と映像を見た私たちそれぞれの当時と現在の心境を語り合います。
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上映映像
「震災報道映像など」
「ルート 45」
監督:高野裕之
撮影時期:2012年6月
撮影地:青森県八戸市~岩手県釜石市までの国道45 号線と沿岸部県道
「仙台のがれき撤去(仮)」
監督:高野裕之
撮影時期:2011年5月−2012年4月
撮影地:仙台市宮城野区、若林区の津波被害地域
「測量技師たち」
監督:志子田勇
撮影時期:2011年7月
撮影地:岩手県陸前高田市
「あいだのことば」
監督:小森はるか
撮影時期:2011年4月−2012年2月
撮影地:宮城県・石巻市,岩手県・陸前高田市
*上映は各作品の一部分のみ行います。
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こえシネマとは
2011年3月11日から1年以上がたった今、人の中で埋もれたままになっている言葉を、映像を見て感想を語り合うことで掘り起こしたいと思っています。「被災地」と呼ばれながら様々な状況にある各地域、東北から遠く離れた場所、人と人の間、時間の経過など、今の私たちを取り巻くいろいろな形の「距離」を上映の大きなテーマにしつつ、参加者が自由に話す場を作ることで、「震災後を生きる」個人の声を記録に残していきます。
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映像サーベイヤーズとは
震災後に映画でつながった吉田文恵(OL)、高野裕之(建設業)、志子田勇(映画作家)の3人による上映会チームです。上映会の原点に返りつつ、新しい上映会をつくる団体を目指しています。
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主催: 映像サーベイヤーズ/せんだいメディアテーク
問合せ: メールアドレス:koecinema@gmail.com/
ブログ: http://koecinema.blogspot.jp/
第1回こえシネマ「被災地を撮ること/見ること」レポート
日時:2012 年 8 月 25 日(土)18:30−20:30
会場:せんだいメディアテーク7F スタジオa
主催:映像サーベイヤーズ/せんだいメディアテーク
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第1回こえシネマは「被災地を撮ること/見ること」をテーマに開催しました。
こえシネマを主催する私たち『映像サーベイヤーズ』は、メンバーの志子田、高野は映像を撮っていますが、 私(吉田)は、自分で映像を撮ったことがありません。震災後、電気が通じるようになってから見た震災に関する映像の中には、ぐっと見入ってしまったもの、見ていて嫌な気持になったもの、様々なものがあり、自分の反応に自分自身でとまどうことが度々ありました。そんな中、映像を撮る2人と話して、被災地にカメラを向ける側にも、「撮影してよいものか」など私が抱いたのと同じようなモヤモヤとしたとまどいがあることがわかりました。
それをきっかけに「震災後に映像と接する中で感じたことを、もっといろいろな人と話し合ってみたい」という思いが生まれ、第1回目のテーマが決まりました。
当日は、
「東北放送の震災発生直後のニュース映像、報道映像」(5分)
「ルート45」 監督:高野裕之(5分)
「測量技師たち」 監督:志子田勇(13分)
「仙台のがれき撤去」 監督:高野裕之(10分)
「あいだのことば」 監督:小森はるか(10分)
の順番で映像を流し、上映の間に参加者で話す時間を設けました。
前半の3本を流したところで、一度話す時間を作ったのですが、最初は少し緊張気味の雰囲気だったものの、八戸市~釜石市の国道45号線と沿岸部県道を走る車載映像『ルート45』と、昨年7月に陸前高田市で撮影されたフィクション作品『測量技師たち』の撮影のきっかけなどから話が徐々に広がっていき、次第に参加者が日頃被災地に対して思っていることなどの個人的な気持ちを交えた感想が聞こえるようになりました。
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後半は、仙台市のがれき処理場を撮影した『仙台のがれき撤去』と、被災地に住む人たちのインタビュー映像で構成された『あいだのことば』の冒頭の一部分を続けて流し、ゲストとして参加いただいた『あいだのことば』の監督小森はるかさんにも、撮影の経緯などをお聞きしました。
『あいだのことば』は、撮影者とインタビューを受ける人の間に独特な親密さがあり、どこかほのぼのした感すらあるドキュメンタリーで、その被災地との距離感に興味を持って今回取り上げることにしました。この映像に出ているのは、小森さんの友達の親戚の親戚など、何らかのつながりがある方たちで、そもそもの撮影の動機が、その人たちが無事であることや生活の様子を現地に行けない人に知らせるためだったということです。しかし、インタビューを続けていくうちに、話している人たちの感情や話すことの変化に触れて、次第に「この言葉をちゃんと留めておこう」とカメラを向ける意識も変わっていったとのことでした。
全ての作品を上映した後の時間は、30人ほど集まった会場から多くの声が上がりました。今回上映した作品を、これから数十年残していくことを想定しているかといった問いかけや、静岡から参加された方が、被災地の現状を見て感じたことと共に「今日見た映像を全国で上映していかなくては、みんなに被災地のことが伝わっていかないのではないか。」とおっしゃったことは、公開の場で話し合ったからこそ出会えた新鮮な視点だったと思います。
今回は、「仙台に住んでいるが被災はしていない」「震災の時には東京にいた」「阪神地区の出身で阪神大震災のときには大阪に住んでいた」など自身の背景を前置きに話す方が多く、震災後置かれている状況や日々感じていることは、人によって本当に違うものだと改めて実感する場でもありました。それでも、映像を撮った側と見る側両方から真摯で率直な言葉が交わされたことで、震災から1年半経過した「今」をじっくりと見つめ直す貴重な時間になったのではないかと思います。
報告: 映像サーベイヤーズ 吉田文恵
※このレポートは、こえシネマのブログにも掲載しております。
ブログ: http://koecinema.blogspot.jp/
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