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せんだいメディアテーク
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てつがくカフェ

第47回「物語り〜いま、〈象る〉営みを問いなおす」

■ 日時:2015年12月13日(日)15:00-17:00
■ 会場:せんだいメディアテーク 6fギャラリー4200 ホワイエ
■ ファシリテーター:西村 高宏(てつがくカフェ@せんだい)
■ ファシリテーショングラフィック:近田 真美子(てつがくカフェ@せんだい)
■ 参加無料、申込不要、直接会場へ

 

《今回の問いかけ》

震災以降、現実を生き抜くために私たちは、たくさんの〈ことば〉を必要としてきました。〈ことば〉が編まれ、物語られることで初めて人は震災という出来事を自らの人生に位置づけることができるのかもしれません。それは、今の私たちの立ち位置を〈象(かたど)る〉必要があったからに他ならないでしょう。
 
実は、〈象る〉とは、物語の語源でもあります。
今回は、「物語り〜いま、〈象る〉営みを問いなおす」をテーマに、震災以降の私たちの〈象る〉という営みについて〈物語り〉という切り口から考えてみたいと思います。
 
近田真美子(てつがくカフェ@せんだい)

 
■ 問合せ:tanishi@hss.tbgu.ac.jp(西村)
■ 主催:せんだいメディアテーク、てつがくカフェ@せんだい
■ 助成:一般財団法人 地域創造


《てつがくカフェとは》

てつがくカフェは、わたしたちが通常当たり前だと思っている事柄からいったん身を引き離し、そもそもそれって何なのかといった問いを投げかけ、ゆっくりお茶を飲みながら、「哲学的な対話」をとおして自分自身の考えを逞しくすることの難しさや楽しさを体験していただこうとするものです。
てつがくカフェ@せんだい http://tetsugaku.masa-mune.jp

第47回てつがくカフェ「物語り〜いま、〈象る〉営みを問いなおす」レポート

写真1

今回は、メディアテーク自主企画展覧会「物語りのかたち─現在(いま)に映し出す、あったること」(*1)の関連イベントとして開催しました。過去の出来事を他者に伝え、想起の連鎖を生んでいくものとして「物語り」という行為を営む私たちの〈ことば〉を、対話を通して手に入れる時間となりました。

写真2写真3

はじめに「物語り」が〈ことば〉で為されることに関心が集まり、〈ことば〉とはどんなものかを様々な角度から話し合いました。〈ことば〉によって何を語るのか、なぜ語るのかなど、「物語り」の目的や意味、動機を考える声もありました。また、〈語り〉を聞く〈受け手〉の存在に話題が広がり、語り聞くことによって双方が「物語り」のイメージを〈共有〉すること、他者に〈伝える/伝わる〉ことについてたくさんの方の話を聞くことができました。

写真4

途中、ファシリテーターの進行でここまでの対話をふり返り、使われ方にあいまいさがあるため整理しなくてはならない単語や、「物語り」について考える切り口になる言葉をキーワードとしました。さらに、「物語り」が営み・状態・関係性・時間との関連でどのようにとらえられるかを念頭に考えながら、「物語り」とは何かについて、時間いっぱいまで対話を深めていきました。

写真5

今回の対話をふり返り、私が印象に残っているのは〈語られないこと〉についての発言です。語り手から聞き手に伝わるのは〈語られたこと〉ですが、その背景には〈ことば〉にできない/ならないものがどうしてもあるということ、それを感じながら、全てをひっくるめて〈語られること〉に耳を傾け向き合うことで、単なる〈ことば〉ではない「物語り」が生まれるように思いました。

てつがくカフェに参加してくださった皆さんが、それぞれ手にした〈ことば〉やイメージを持ち帰り、引き続き考えを深めて楽しんでいただければ何よりもうれしいです。

写真6

*1…「物語りのかたち─現在(いま)に映し出す、あったること」
せんだいメディアテークが2015年10月31日〜2016年1月10日に開催した自主企画展覧会。震災以降、せんだいメディアテークと、1970年代から東北の民話の採訪活動を続ける市民活動団体「みやぎ民話の会」が協働でおこなってきた伝承民話の記録活動をもとに、いがらしみきお、田村友一郎、山本高之の3名の作家が、現代に生きる私たちにとって、「民話」や「物語り」とは何かを捉えなおし、かたちに表した。

報告:S(てつがくカフェ@せんだい)

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