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てつがくカフェ

〈3.11以降〉読書会-震災を読み解くために-第16回

■ 日時:2014 年 8 月 24 日(日)17:00−19:00
■ 会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa
■ 参加無料、申込不要、直接会場へ。課題本をご持参ください。
■ 問合せ:philcfsendaiaw@gmail.com (綿引)
■ 主催:せんだいメディアテーク、てつがくカフェ@せんだい
■ 助成:財団法人 地域創造

 

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この「読書会」について
「読書会」は、あるひとつの本を取り上げ、それを参加者みんなで一緒に読んでいくものです。この読書会では、ほかの人々と共に読むということを最大限活かし、ひとつの本に対する人々の多様な「読み方」を大切にします。そうして参加者どうしが協力し合い、触発し合って、〈震災〉という出来事を――それを直接に扱う「震災関連書」をひとりで読むだけでは辿りつけないようなところまで――深く「読み解く」ことができるような場でありたいと願っています。

 

課題本
『社会を変えるには』小熊英二(著)、講談社現代新書 ※第5章と第6章を中心に

 

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9月から新しい本を読んでいきます! 

震災を読み解くために、みなさんの自由な観点で、本を1冊選んできてください。
はじめての方、紹介する本がない方も参加できます。ぜひお越しください。

 

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〈3.11以降〉読書会—震災を読み解くために— の進め方
この読書会では、以下のフェーズ(段階)を順にすすんで、何回かにわたってひとつの課題本をじっくりと、深く読み解き対話することを目指します。
なお、ここでの対話は普段近しいひとたちとする何気ない会話とは異なります。それは、会話を下支えし、日常を円滑に進めている“根本的な”事柄にあらためて光を当てる言葉のやりとりです。

 

・解釈フェーズ
課題本の一部分を音読しながら、著者の主張を一つひとつ、みんなで丁寧に確認し、共有していきます。

 

・再考フェーズ
解釈フェーズで共有された本の理解を土台に、著者の主張、本で用いられた概念等々を問いなおし、意見を交換し合い、必要に応じて課題本に立ち返っていきます。

 

・対話フェーズ
最後にあらためて、課題本を読んでわたしたちの心を捉えたものについて、今度はみんなで一緒になって考えます。課題本を読む前には無かった視点と言葉で〈震災〉を見て、考え、話していきます。

 

 

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「震災を読み解くために」読書会の理念

この「読書会」は、あるひとつの本を取り上げ、それを参加者みんなで一緒に読んでいくものです。ほかの人々と共に読むということを最大限活かし、ひとつの本に対する人々の多様な「読み方」を大切にします。そうして参加者どうしが協力し合い、触発し合って、〈震災〉という出来事を――それを直接に扱う「震災関連書」をひとりで読むだけでは辿りつけないようなところまで――深く「読み解く」ことができるような場でありたいと願っています。

 

私たちは、読書会というかたちで本を読むことが、単にひとりで本を読むときには得られないような、格別の効果をもたらすものだと考えます。

 

第一に、あるひとつのテキストを巡る多種多様な意見や思いに触れることによって、自分ひとりの理解がいかに特殊なものであるかを知ることができます。これを反対から言えば、本を読む営みのもつ豊かさに気づくことができるということです。ふだん多くの人にとって、ひとつの本を巡る解釈について誰かと熱く語り合う機会などそうないのではないでしょうか? そうだとしたら、ふだん自分がどのくらい、特殊な読み方をしているのかもわからないはずです。それは「読みの複数性」と言い表わすことができるような、読むことのもつ豊かさを引き出せていないということです。さらにまた、テキストを共に読むことで、読書会に参加する人々の(ふだんは隠された)多様性や他者性――彼らが自分とは異なる人間であるということ――に気づくことができます。これも日常の当たり障りない会話においては得難い体験ではないでしょうか。

 

また、第二に、読書会に参加し、他の参加者と協力することによってテキストと真に向き合うことができるというのも、読書会のもたらす効果のひとつです。さらにこの読書会は、「震災を読み解くために」、あくまで〈震災〉という出来事と関連するテキストを取り上げる予定ですから、テキストと真摯に向き合い、共に参加する人々の力を借りながら、「自分なり」を超えた読み方で〈震災〉という出来事を見つめ直すことができるという点にも、この読書会に参加することの意義が見いだせるはずです。

 

私たちは読書会という読みのかたちがもつ特性を最大限活かしながら、深く〈震災を読み解く〉ということ、また、そのための〈読みの力〉を鍛え上げていくことを理念として掲げ、その実現へと向けた努力を――参加者の方々と共に――重ねていきたいと考えています。

〈3.11以降〉読書会-震災を読み解くために-第16回レポート

写真1
今回は小熊英二著『社会を変えるには』を課題本とした読書会の4回目であり、また最終回でもありました。次回は別の課題本を取り上げます。
今回の読書会もまずはいつも通り読書会を進めるにあたって心がけてほしいことを確認し、次にこれまでの読書会の振り返りを行いました。その際利用した資料が「対話フェーズ用_社会を変えるにはまとめ」(資料2)「第15回〈3.11以降〉読書会ロングレポート」です。
これまで3回の読書会で話されてきたことを確認し<対話フェーズ>に入りました。前回予告した通り「社会を変えるには」をテーマとし、その場で問いをつくり上げ、皆でその問いに取り組みます。
写真2
ここでは当日話された内容から、参加者から出た「問い」とそれにまつわるいくつかのやりとりをダイジェストで紹介します。
○結局著者は民主主義の仕組みを変えようと言っているのか?
・民主主義は次善策。むしろ「みんな」で盛り上がることが重要では。
・問題は「共同体と国の分離」または「共同体自体の解体」にある。
○「みんな」の範囲は?
・移民も「みんな」に含めるべきだが、ヨーロッパの現状をみるとそれには困難も伴う。
○参加者の中で、「私は何かしらの共同体に属している」と言えるひとはいるか?
・家族。
・共同体のなかに入りにくい。
・デモに参加するのも恥ずかしい。
○ひとびとがまとまりにくい原因は何か?
・自由でいたい。
・どうせまとまらない。
・まとまっても「うえ」にどう意見を反映すればいいのかわからない。
・「コストパフォーマンス」が悪い。
・細かい意見の違いが無視され、内外から一緒くたに扱われるのが怖い。

等々。最後には人々がまとまりにくい原因を考えながら、話題は「デモ」に移りました。まずデモに対する疑問(例:デモをするひとは代案を出さない)が投げかけられ、それに対するいくつかの応答がありました。最後には代案の提出ないし実行するリーダーの必要性について参加者のなかで意見が割れ、決着がつかないまま時間となりました。より詳しい対話の内容については、ロングレポートに記載してあります。

今回の読書会の最後に、参加者の方々に推薦して頂いたいくつかの候補の中から課題本を投票で選びました。今回紹介された本と推薦者の紹介文はロングレポートをご覧ください。
写真3
報告:綿引 周(てつがくカフェ@せんだい)

ロングレポートはこちら

てつがくカフェ読書会〈3.11以降〉読書会-震災を読み解くために-第16回 ロングレポート(PDFファイル/186KB)

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