考えるテーブル

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せんだいメディアテーク
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てつがくカフェ

U-18「震災後の私たちの生活、社会を考える」

■ 日時:2012 年 8 月 11 日(日)15:00−17:00
■ 会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa
■ 対象:中学生・高校生
※13~18 歳の方は、どなたでもご参加いただけます。
■ 進行役:高橋 綾(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター招聘教員)
■ 参加無料、申込不要、直接会場へ
■ 問合せ:shinsai.kodomo@gmail.com
(震災後の生活や社会についてこどもたちと対話するプロジェクト)
■ 主催:震災後の生活や社会についてこどもたちと対話するプロジェクト、
せんだいメディアテーク、てつがくカフェ@せんだい
■ 協力:大阪大学コミュニケーションデザイン・センター、カフェフィロ
■ 助成:公益財団法人博報児童教育振興会の児童教育実践についての研究助成事業

 

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オトナは分かってくれない!?日常のモヤモヤについて語り合おう。
中学生、高校生のみなさん、
あなたは今の生活や社会について、どんなことを感じ、考えていますか。
震災は、多くの人々の暮らしや人生観に大きな影響を与えました。
あなたは、あなたの周りは、どうでしょうか。
U-18てつがくカフェは、私たちの身近にあるさまざまな問題について、リラックスして普段着の言葉で話し合い、共に考える場所です。中高生同士で、今あなたが感じていることを、自分たちの言葉でいっしょに話し合ってみませんか。
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震災後の生活や社会についてこどもたちと対話するプロジェクト
こどもとする哲学対話や哲学カフェに取り組んできたメンバーが震災後新たにはじめたプロジェクトです。東北のこどもたちやそれ以外の地域のこどもや若者たちと震災後の生活や社会について対話することを行ったり、東北のこどもたちとの対話を他地域のこどもたちにリレーすることを行っています。
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てつがくカフェって?
てつがくとは、わたしたちが当たり前と思っていることや、日常のもやもやについて「本当に当たり前だろうか?」「そもそもそれってどういうことなんだろう?」と問い直してみることから始まります。「てつがくカフェ」ではそのような問いを参加者どうしが分かち合い、話し合うことをとおして、自分自身の考えをたくましくすることの難しさや楽しさを体験してもらうことを目的としています。

てつがくカフェ@せんだい http://tetsugaku.masa-mune.jp

U-18てつがくカフェ「震災後の私たちの生活、社会について考える」レポート



8月11日、夏休みまっただ中の仙台にて、初めての中高生を対象としたてつがくカフェが開催されました。中学や高校に通っている人だけでなく、13歳から18歳の若者であれば参加ができ、テーマは「震災後の私たちの生活や社会について考える」としました。このてつがくカフェは、東日本大震災のあと、こどもとする哲学対話や哲学カフェに取り組んで来たメンバーが立ち上げた「震災後の生活や社会についてこどもたちと対話するプロジェクト」とせんだいメディアテーク、てつがくカフェ@せんだいが主催して行ったものです。このプロジェクトは東北のこどもたち、若者たちやそれ以外の地域のこどもたちと震災後の生活や社会について対話することを行い、東北のこどもたちとの対話を他地域のこどもたちにリレーするという活動をしています。

部活や勉強に忙しい夏休みに、学校とは異なる場所にわざわざ出向く中高生がどれくらいいるのだろうか、とスタッフや進行役が心配する中、中学生2名、高校生1名の参加者が集まりました。この3名と大学生スタッフ2名が参加するU-18テーブルに加えて、スタッフの大人たちでつくるオーバーエイジテーブルに別れて話し合いを行い、最後に互いのテーブルで話し合われたことや意見を交換しました。
U-18テーブル

 
オーバーエイジテーブル

U-18テーブルでは、それぞれの参加者が地震が起こったとき、いつ、どこで何をしていたか、どんなことを感じたかを自己紹介もかねて紹介し合い、続けて震災の後と前で自分が変わったと思うかどうか聞いてみました。東北、仙台では今でも余震が続いており、自分は「ビビり」なので、最初は地震にビビったが、いまでは怖くなくなって慣れてしまった、という人や、地震の前は人と同じに行動していればいいやと思っていたが、今はその場を自分でよく観察したり、何のためにこれをするのかということを自分でよく考えるようになった、という人がいました。そこから、「地震に慣れたり、怖くなくなることは良くないこと?」という話題についてしばらく話し合いました。
発言するときにもつ毛糸玉。次に話す人へポンと渡します

さらに後半はもう少し広げて、自分だけではなく、自分と周りの人の関係について変わったと思うことや考えたいことなどを聞いてみました。被災した時に、近所の人や他の地域の人が自分たちのことを気にかけ、助けてくれたことが大きく印象に残り、「つながり」が深まったと感じる、という人もいましたが、そこまで大きく周囲の人との関係は変わっているとは思わない、という人や、震災の時に知らない人に車の中に入って暖まるように言われて、ありがたいと思ったけれど、びっくりもした、という人もいました。

 

最後に「他の地域の人が自分たちのことをどう思っているのだろうか?」という疑問から、東北や被災地の人とそれ以外の地域の人との関係や、宮城県や仙台市で被災をした人の中でも、被害の大きかった地域とそれ以外の地域の人の関係が話題になりました。その中で、一人の中学生が「先生が被害の大きかった沿岸部に行ったら『野次馬は帰れ!』という看板が立ててあった、という話をクラスのみんなにしてくれた」という話をしてくれたので、そこから、「野次馬」って誰なんだろう?被害を見にいくことは良くないこと?その看板を書いた人はどんな気持ちでいたのだろう?ということについて話し合いました。

マスコミや「興味本位」の人が被災地に押し寄せるのは嫌な気持ちがする人もいるかも、という意見やボランティアで目的を持っている人は「野次馬」ではないだろう、という意見もありましたが、宮城県のなかには同じ宮城県で暮らす人の「義務」として大きな被害について見て、知っておくべきだと考えている人もいる、と話してくれた人もいました。「興味本位」って何なのだろう?ボランティアの人だって、助けたいという思いもあるけど、震災や被災地の人に対する「興味」があって来たという人はいるのではないか?ここで今話し合っているわたしたちは「野次馬」なのか、そうではないのか、というあたりで時間になりました。
話しながら、テーブルにチョークで書くこともできます。みんな、いろいろ書きながら考えていました

その後短い時間ではありましたが、オーバーエージテーブルのみなさんと意見交換をしました。互いに話された内容を報告しあう中で、大人たちのテーブルでも東北や宮城、仙台でも被災度の違う人がいるなか、震災の「当事者」とは誰なのか、という似たようなテーマで話がされていたことがわかり、大人たちにも「みなさんは『野次馬は帰れ!』という看板を見たら、自分のことだと思って帰ってきますか?」ということを聞いてみました。
帰って来てしまうかもしれないなあ、という方もいましたし、地震が起こった当初であれば、みんなの車が押し寄せれば迷惑になるのでやめた方がいいけど、今なら見ておくべきだ、という人もおり、「興味」と「関心」は違うのではないかという区別を立てる人や、震災について向き合って考えようとしている人はどこの誰であっても「野次馬」ではない、という意見もありました。

人数は少なくはありましたが、集まってくれたみなさんは、しっかり自分なりの言葉で思っていることを語ってくれましたし、テーブルを使って(考えるテーブルでは、テーブルに文字が書けます)じっと考える人もいました。今後この企画が続いて行くにつれ、参加者や思考の輪が広がることに期待しています。

報告:高橋綾(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター招聘教員)



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黒板まとめ
黒板1枚目

黒板2枚目

黒板3、4枚目

U-18テーブル板書

オーバーエイジテーブル板書

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