考えるテーブル

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せんだいメディアテーク
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支援のかたち

第3回「被災地でのパートナーシップ」

■ 日時:2013 年 12 月 11 日(水)15:00−17:00
■ 会場:せんだいメディアテーク 6f  ギャラリー4200
■ 参加無料、申込不要、直接会場へ
■ 問合せ:tel 022-212-3010  fax 022-268-4042(仙台市市民活動サポートセンター)

■ 主催:せんだいメディアテーク、仙台市市民活動サポートセンター

■ 協力:協働の強化書2013プロジェクト、東北大学大学院 経済学研究科非営利組織論ゼミナール(西出ゼミ)、特定非営利活動法人せんだい・みやぎNPOセンター

■ 助成:財団法人 地域創造

 

被災地での多岐にわたる課題の解決には、地域・行政・NPOなどあらゆる主体が力を合わせて取り組む必要があります。今回の支援のかたちでは、パートナーシップ(協働)による支援活動についての調査報告と事例発表を題材に、参加者の皆さんと、これからの復興とまちづくりを進めていく上で欠かせないパートナーシップについて考えます。

 

※これまでの「支援のかたち」については、3がつ11にちをわすれないためにセンターのウェブサイトをご覧下さい。

http://recorder311.smt.jp/movie/16096

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第3回支援のかたち「被災地でのパートナーシップ」レポート

写真1

せんだいメディアテークと市民活動サポートセンターの協働事業である「考えるテーブル 支援のかたち」を2013年12月11日に開催しました。今回のテーマは「被災地でのパートナーシップ」。 協働の強化書 2013プロジェクトの調査報告をもとに、参加者の皆さんと一緒に、これからの復興とまちづくりを進めていく上で欠かせない「パートナーシップ (協働)」について考えました。

・協働の強化書2013プロジェクトとは

2006 年、仙台では行政とNPOの協働が進みつつある一方で、「行政・NPOともに協働をよく理解していない」、「お互いのコミュニケーションが不足している」という課題も見え始めていました。これらの課題を受けて、29 人の市民・行政職員が参加する「協働の強化書」研究会が発足。12 回に及ぶ研究例会開催と協働事業を行っているNPOと自 治体に、協働に関するアンケート調査を実施し、 協働についての全体像を解説する概論と17の協働事例を紹介する「協働の強化書」を発行しました。その発行から5年以上が経過し、さらには東日本大震災を経て、より多様な協働が生まれ、新たな課題も見えてきています。このような背景を受けて、現在の協働について調査を行っているのが「協働の強化書2013プロジェクト」です。プロジェクトにはNPO法人せんだい・みやぎNPOセンターや、東北大学大学院経済学研究科非営利組織論ゼミナール(西出ゼミ) などが参加しています。 「考えるテーブル支援のかたち」では、協働の教科書2013プロジェクト・西出ゼミの中尾公一さんより、県内16の市町での震災後の行政とNPOの協働について調査報告をしていただきました。


写真2


・16市町それぞれの協働のかたち
中尾さんの発表によると、震災後に協働が生まれた背景、生まれなかった背景は16市町でそれぞれ異なり、仙台のように人口もNPOも多い市では、 行政とNPOの協働も生まれやすく、逆に小さな市町では「協働は、NPOとではなく直接住民と」と回答するところが多かったようです。また、震災以前から協働の実績があったことや、 橋渡し役となる第三者の存在が、震災後の協働を後押ししていました。それらがなくても協働が生まれた事例では、NPO側の事業提案能力によるもので した。協働の多くは、NPOからの能動的行動から生まれており、行政から動いた事例は、災害FMなど緊急なニーズに対応するためのものにとどまりました。同時にNPOには、協働で事業を実施するにあたり、事業に対する責任と自主運営が求められました。委託事業など行政から資金が投入される場合、 NPOにとっては、資金が安定されるため雇用が確保できるというメリットがある反面、公的予算に依存することになり、事業の自由度や柔軟性が制約されてしまうと回答するNPOもありました。


写真3


・参加者への問いかけ
調査報告の後、中尾さんから会場に以下の二つの問いが投げかけられました。


1:行政とNPOはそれぞれ何を考え、 行動をしていけば、よりよい被災者支援ができるのでしょうか。


2:災害時に、行政とNPOに加え、 住民はどのような役割を果たしていけるでしょうか。


学生からNPOで復興に携わっている方、 行政職員まで37名の参加者は、5つのテーブルに分かれて、この問いに対して各自の考えを語り合いました。どちらのグループからも出ていたのは、協働を始めるにも進めるにも、お互いのコミュニケーションが大切だということ。お互いに何をどこまでできるのか、何が必要なのかを伝え、報告を行うことで初めて協働が成り立つという意見です。 また、「住民はどのような役割を果たしていけるでしょうか」との問いかけがあったことで、 参加者のみなさんは、それぞれ自分の立場で果たせる役割についても考えるきっかけになったようです。

写真4


調査で報告された多種多様な被災地でのパートナーシップ。行政とNPOの二者間の協働にとどまることなく、住民や自治会・地縁組織などを巻き込みながら、それぞれがそれぞれのできることを行い、復興に取り組んできた様子が見えてきました。




報告:太田貴 (NPO 法人せんだい・みやぎ NPO センター)




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