からだできく、からだではなす
■ 日時:2012 年 12 月 15 日(土)19:00−21:00
■ 会場:せんだいメディアテーク7F スタジオa
■ 参加無料 申込不要 直接会場へ
■ 主催:Art Revival Connection TOHOKU/せんだいメディアテーク
いわゆる舞台活動だけでなく、高齢者や障がいのある方と共にダンス作品を手がけてきた砂連尾理さんと職業、年齢、性別、障がいの有無、国籍、etc…をこえて、一緒にからだを動かし会話します。
また、今回はその場に臨床哲学者の西川勝さんを迎え、ワークでからだを動かすだけでなく、そこで発見した感覚を対話をしながら一緒に考え、ことばにしてみます。
普段のワークショップでは、主に実際に動いてみて体験することを大事にしていますが、今回はからだの会話を臨床哲学の面から観察し、ことばにして対話をしていきます。
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ゲスト
砂連尾理(じゃれお おさむ):ダンサー・振付家、神戸女学院大学非常勤講師
西川勝(にしかわ まさる):大阪大学コミュニケーションデザイン・センター招聘特任教授
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Art Revival Connection TOHOKUとは・・・
東日本大震災によって失われた文化・芸術に関するひと・まち・場の再生と東北復興に向けた諸活動にアートを通じて寄与するため、また、それに必要なネットワークづくりを推進するために活動を開始。「出前」と称して、児童館や幼稚園、障がい者支援施設、老人福祉施設に美術やダンス・演劇などのアートプログラムを届けています。
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お問い合わせ先
Art Revival Connection TOHOKU(ARC>T)
TEL:080-1667-3105(10:00~19:00) FAX:022-774-1605
E-mail:info@arct.jp
URL:http://arct.jp/
からだできく、からだではなす レポート
■ 日時:2012 年 12 月 15 日(土)19:00−21:00■ 会場:せんだいメディアテーク7F スタジオa
■ 参加無料 申込不要 直接会場へ
■ 主催:Art Revival Connection TOHOKU/せんだいメディアテーク
■ ゲスト
砂連尾理(じゃれお おさむ) ダンサー・振付家、神戸女学院大学非常勤講師
西川勝(にしかわ まさる) 大阪大学コミュニケーションデザイン・センター招聘特任教授
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「からだできく、からだではなす」は、これまではARC>Tで勉強会として砂連尾理さんと一緒におこなってきたワークショップです。二人組になってまねっこをしてみたり、誘導をしたりされたりしてみたり、また鏡、照明、ティッシュペーパーや線香を使って動いてみたり、自分の手相で踊ってみたりと身体の対話をしてきました。
今回は「考えるテーブル」という対話の場をつかって、西川さんを交えて、ワークでからだを動かすだけでなく、そこで発見した感覚を対話をしながら一緒に考え、ことばにしてみる試みをしました。
砂連尾さんは、いつもその時その場からインスピレーションを得てワークを生み出すので、当日になるまで、どうなるかわからない、わくわく感とどきどき感があります。砂連尾さんと西川さんは出会って2年半のつきあいだそうで、西川さんとのワークショップでも毎回打ち合わせをしたことがないそうです。
西川さんは看護師として20数年間、認知症の方とのコミュニケーションを考えてきました。結果、看護や介護、医療で認知症の人と言葉だけでつきあうのは不可能だと思ったそうです。西川さんは「生まれたときから徹底的にからだがある」といいます。医療や福祉心理学では「からだ」はあまり扱われないそうです。砂連尾さんのダンスワークショップを見て、今まで見たことがない交流の仕方に唖然とし、一緒に活動をしたいと思ったそうです。
何らかの体験をしてから話をするといった構成で、砂連尾さんが「足裏マッサージが世界を変えるんじゃないか」と言ったことから「足裏マッサージ」を考えてみることにしました。マッサージをしても良いし、見ているだけも良いという状態で、砂連尾さんと、いつもお手伝いをしている佐々木さんの二人でお互いの足裏をマッサージし始めました。そこからだんだんと参加者のみなさんが連なって肩や腕をもみ始めました。
一度マッサージを体験してから、それぞれ「さぐられているかんじ」「さぐってしまうかんじ」「もみたくなる」「ためらい」と感想が出てきました。一方、「マッサージをしていて途中で辞めたきっかけ」「途中でもむ人が変わっていくときはどう思っていたのか」と質問も生まれました。
あたまで考えるのでなく、体験からの議論ということを大切に、一般的な、抽象的に言葉に出して、そこから深めていくことをしました。
「さぐられている」「安心」「見ているだけで楽しそう」を噛み砕いて言い換えていく作業をしていきました。相手のからだに触れるということは、知るということがキーワードになっていることが見え、「さぐる」と「さぐられる」「理解」、逆に「ふみこめない」という言葉からそこの場に一つの関係ができていました。遮断することは「知らない」「わからない」というのがあり、人と人とが関係を結ぶときに何が必要か、何が持続させることになるのかと課題を出してこのワークは終わりました。
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足裏マッサージが煮詰まったので今度は「まねっこ」をしてみます。
考えるテーブルの場所から廊下と隣の会議室を隔てている磨りガラス越しにまねっこをしてみました。ガラス越しのまねっこは距離をとっていくと、隣接した関係からだんだんと淡い関係になります。また、二人でまねっこと西川さんのまねを全員でやってみました。体験をしてから、まねっこについて考えます。参加者からは「近づきすぎると手足が見えなくて、遠くになると全体もわからない。見えないと不安になる。」「集中して見てしまう」「ずれるとおもしろい」や「安心する」一方では「かまえる」という感想が次々と出てきました。また、まねをすることは「自分を消す」「消すことはその人になれる」と感想を掘り下げます。
西川さんは「言葉は同じような意味があっても言葉遣いでかわります。キレる、怒る、どれも立腹ですが、少しずつニュアンスが違うのでそこは丁寧にしたほうがいい。つるんとした概念で無くそれぞれの言葉をかいたほうがいい」と参加者をうながします。「わくわく」は、どういうわくわくなのか聞いてみると「どこに連れて行かれるのか、警戒じゃないポジティブなわくわく」という答えが返ってきました。
さらに西川さんは「まねをするというのは大切な事柄ですよね。人として生きる限り、自分とは違うからだに出会うわけです。真似るという関係は「キョウドウ」、共に動くというか、闘う場合もありますよね。愛の関係と暴力な関係も生まれるわけです。接触、性愛には愛も暴力もありますね。なぜ人はまねをするのか。まねぶ。学ぶというけれど。人は人をまねていくから人になれる。自分がわかっていない世界とあたりまえすぎる世界じゃない世界との出会いです」といいます。
「基本的に相手をまねることは不可能なんだけど、まねる誘惑的な関係にある。誘惑的に同じように動いてしまう自分のからだには自分の精神があって、からだは個体だと思っている。我々がまねをするというとき、違う他者と出会ったとき、からだは変質してしまう。人が人と共に生きるときにはなんらかの動きがある。」と。
まねっこというワークから「人と人との関係の中でからだの意味が考えられるのではないか」という課題が出て終わりました。
「からだできく、からだではなす」は煮詰まったらワークをして考えるを繰り返していき、問いを立てて抽象度を高めていきました。最後に振り返りを行い、参加者から「言葉にしていくとどんどん伝えているつもりが思っていることと違うことになったり、触ったりすることで伝わることもあるし言葉よりからだのほうが自然なんじゃないかと思った」と感想をいただきました。
報告:Art Revival Connection TOHOKU(ARC>T)
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Art Revival Connection TOHOKUとは・・・
東日本大震災によって失われた文化・芸術に関するひと・まち・場の再生と東北復興に向けた諸活動にアートを通じて寄与するため、また、それに必要なネットワークづくりを推進するために活動を開始。「出前」と称して、児童館や幼稚園、障がい者支援施設、老人福祉施設に美術やダンス・演劇などのアートプログラムを届けています。
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TEL:080-1667-3105(10:00~19:00) FAX:022-774-1605
E-mail:info@arct.jp
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