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映像分のトウホクのハレとケ

映像分のトウホクのハレとケ×秋田

日時:2012 年 9 月 14 日(金)18:30−20:00
場所:せんだいメディアテーク7階 スタジオa
参加無料・申込不要・直接会場へ

年中行事・祭礼などの特別な日「ハレ」と、人々の日常の暮らしの「ケ」。昭和・平成時代、秋田県内で撮影された「ハレ」と「ケ」の映像を上映します。秋田県の映像を見ながら、秋田や東北の今と昔について語りませんか。
秋田県出身の方も、そうでない方も、秋田のことを話し合える集い、参加者が知り合えるような会にしたいと考えております。

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今回紹介する映像
▶ハレの映像(お祭り)
・竿灯祭り
・西馬音内の盆踊り
・角館祭のやま行事
・雪中田植え
※映像は川崎市市民ミュージアムの協力により、川崎市在住の内田長志様からNPO法人20世紀アーカイブ仙台に寄贈いただいたものです。

▶ケの映像(暮らし)
・大森山公園
・平野政吉美術館
・民家の日常
(ちゃぶ台でアイスクリーム)
※市民の方からNPO法人20世紀アーカイブ仙台にご提供いただいた8ミリフィルムのなかから、秋田県内の映像をピックアップしたものです。

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※今回の上映映像は、市民の方々からNPO法人20 世紀アーカイブにご提供いただいたものです。そのため、秋田県内のお祭りや暮らしの全てを映像で解説するものではありません。
※都合により上映内容が変わる場合があります。
※上映は、フィルムの劣化を防ぐため、デジタル化した映像をパソコンで投影します。

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主催:NPO法人20世紀アーカイブ仙台/せんだいメディアテーク

問い合わせ:NPO法人20世紀アーカイブ仙台

TEL: 022-387-0656 FAX: 022-387-0651
E-mail: npo@20thcas.or.jp
HP: http://www.20thcas.or.jp/

映像分のトウホクのハレとケ×秋田 レポート

日時:2012 年 9 月 14 日(金)18:30−20:00
場所:せんだいメディアテーク7階  スタジオa
主催:NPO法人20世紀アーカイブ仙台/せんだいメディアテーク

「映像分のトウホクのハレとケ」第3回となる今回は、「×(かける)秋田」。
参加者は、自由参加で約10名。ほとんどが秋田県出身者(秋田市・大館・湯沢・大曲・角館など)。本題に入る前に、昭和の生活道具を見て、触れて、その名前を言い当てながら使い方など当時を思い出し思い出に浸りました。その後、年中行事・祭礼などの特別な日「ハレ」と、人々の日常の暮らし「ケ」について昭和時代の秋田県の映像を見ながら、秋田や東北の今と昔について語り合いました。
「ハレ」の映像は、川崎市民ミュージアムの協力により、川崎市在住の内田様よりご提供いただいたものを使用。「ケ(暮らし)」の映像は、一般市民からご提供いただいた8ミリフィルムから秋田県内の日常の暮らしを伝える映像をピックアップしたものを使用しました。

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紹介された昭和の生活道具
くけ台、木製ヒシャク、ドランコ(煙草入れとキセル)、ノンコ(鈎付取っ手)、台バカリ、商売用五玉ソロバンなど

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秋田のハレ(祭り)の映像
・竿灯祭り 平成16年
・西馬音内の盆踊り 平成18年
・角館祭のやま行事 平成16年
・雪中田植え 平成21年

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秋田のケ(暮らし)の映像
・大森山公園  昭和49、50年
・平野政吉美術館 昭和49年
・民家の日常(ちゃぶ台でアイスクリーム) 昭和49年
【当日は幅広い世代の方が集い、秋田への想いが伝わる対話が交わされました】

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【参加いただいた方の視点から、当日の様子をご紹介します】

数日前にメディアテークで見かけたチラシが気になり「トウホクのハレとケ×秋田」に参加させていただきました。会場には自分を含む大学生から、ご年配の方々まで、様々な年代の方々が揃っていました。
平成生まれの自分としては、ケ(暮らし)の部分で紹介される昭和の映像はまったく未知の領域だったのですが、私より年上の秋田県民の方々による解説のおかげで、「変わったもの」や「変わらないもの」をより、リアルに理解できたように思います。映像紹介の前には、昭和初期から中期頃に生活の中で使われていた道具の説明がありました。自分にとっては見たことのある物、家にある物、用途すら分からない物まで様々でしたが、会場には実際に使ったことのある方や道具の名前を即答できる方もいました。
ハレの映像は秋田の祭りを撮影したもので、まずは秋田市の「竿灯祭り」が紹介されました。秋田市出身の方を中心に、映像だけでは分からない祭りの細かいルールや伝統が解説され、撮影した方もよく分からなかったらしい通りの名前も特定してしまいました。秋田県に20年近く住んでいながら2011年の六魂祭でしか竿灯を見たことのない自分ですが、解説を聞いているうちに直接見てみたいという思いが強まりました。
「西馬音内の盆踊り」や「角館祭のやま行事」の映像でも、実際に参加した事のある方々から祭の変遷や由来などの解説を聞くことができました。ハレ映像のトリを務める「雪中田植え」の映像ではプロ秋田民の方々すらわからない地域の風習が取り上げられ、映像提供者のこだわりを強く感じながら、秋田の新たな一面を知ることができました。
今後再び、秋田の映像を見る機会があれば、ぜひ「横手のかまくら」や「大曲の花火大会」を取り上げていただき、自分も解説側になってみたいです。
【竿灯祭り(平成16年撮影)】 

【雪中田植え(平成21年撮影)】 

ケ(暮らし)の映像では、まず大館市の様子が紹介され、会場にいた大館出身の方も昭和の様子を懐かしんでいるようでした。時代や地域が違っても、雪の多さと除雪風景はあまり変わらない、と思って見ていたのですが、雪を飛ばして除雪するロータリー除雪車が仙台では馴染みのないものだと参加者のやりとりから知り、軽いカルチャーショックを受けました。
続いて紹介された秋田市内の映像は昭和の家族生活を撮影したもので、ちゃぶ台を囲む風景や、未舗装の道路などが印象に残りました。動物園や百貨店の映像では会場にも思い出深い方が多かったようで、秋田市内の変遷、商業的事情なども含めた活発な会話が交わされていました。
【昭和50年代、家族連れで賑わう秋田市内の百貨店】

映像終了後には自己紹介も兼ねて、各々が秋田への思いを語りました。秋田に長年住んでいた方、竿灯祭りで興味を持った県外出身者の方、幼少期に住んでいた方など、様々な立場の意見を聞く事が出来ました。ケの映像は当時の8ミリフィルムで記録されたため、音声がついていなかったので、秋田の方言を期待しておられた方は少し残念そうでしたが、参加者の方がその場で方言を披露する光景も見られました。また、方言については「秋田で『ケ』と言えば『来い』『食べろ』『痒い』という3つの意味がある」という話も紹介され、県外出身の方は興味深そうに聞いていました。また、「以前食べた秋田の食品が何だったのか気になっている」という方もおり、県南地域で食べられている「とうふかまぼこ」ではないかと意見が出されていました。これは美味しいです。
ふとした興味から参加した今回の催しでしたが、自分が知らない秋田の映像を見ることができたということだけではなく、県内外の方々との交流を通して、秋田県の魅力を再確認できたことが非常に良い体験となりました。

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【参加者の声をご紹介します】
ハレの映像を見て参加者の声
・竿灯祭りは、今は山王通りだが昔は広小路でやっていた。
・竿灯祭りには子供達も参加できるような組織になっていて伝統を守る意識がすごく強い。
・西馬音内盆踊りは、全国に誇る、いや日本一の素晴らしい踊りである。お囃子もふくめて。
・手の指5本が離れないようにしてしなやかに踊らなければならない。故に優雅である。
・黒い浴衣を着て踊っているのは、踊り手が亡霊になりきっているのである。
・雪中田植えは小正月の仕事始めであり、稲作を占い、豊作を祈願する重要指定文化財である。
・大館の飴っこ市がとても懐かしい。子供の頃必ず行った。

ケの映像を見て参加者の声
・大森山公園は家族でよく行った。動物園があった。
・秋田を馬鹿にしていたが素晴らしい故郷だと今になって気がついた。(仙台にきている学生)
・海水浴場で道川という所があるが、そこは、かつて糸川ロケット博士がペンシル型ロケットの発  射場だった。(その後能代市に移り今は種子島になっているが)そのことも知ってて欲しい。
・全国の学力調査で毎年秋田県が成績優良なのは、子供をほめて育てる県民性があるからである。
・かつて知人の葬式のお返しでいただいた「味の付いたかまぼこ」が忘れられなくて秋田市内ずいぶん探したが見あたらなかった。 「湯沢、横手に来ればいつでもあるよ!」と声がかかった。また、結婚式の引き出物にも使われているという声も出た。
・昭和54年の木内デパートの様子を見て・・・木内デパートの経営者(ばあさん)が世情の変化  (購買層の移ろい)を読みとらず衰退していった。聞く耳も持たないガンコものだった。街のど真ん中に立地しているだけに秋田中心部の衰退に大きく影響した。・・・・(この話はご当地ではどうも有名らしい)
・今日の懐かしい映像を見て、街の移ろい、生活スタイルは変わっても、大館の除雪風景と大ツラ  ラ落としだけは今でも変わらないと思う。
・秋田弁を聞きたくて来た。
・秋田弁は県北と県南では全く違う。県北の大館・能代は津軽弁に近い。県南の湯沢・横手は言葉が柔らかい。
・秋田は漬物がすごくおいしい。どこにも負けない味を持っている。

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「ハレとケ秋田県」は秋田出身者がほとんどだったこともあり、大いに盛り上がりお国自慢、故郷自慢になりました。映像内容も充実していたと思われます。
知らぬ同士の参加者がすぐ打ち解けて話し合え、1時間半が短く感じた楽しい場となりました。

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報告:参加者・木村浩平/NPO法人20世紀アーカイブ仙台・伊藤豊生

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