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てつがくカフェ

〈3.11以降〉読書会-震災を読み解くために-第15回

■ 日時:2014 年 7 月 27 日(日)17:00−19:00
■ 会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa
■ 参加無料、申込不要、直接会場へ。課題本をご持参ください。
■ 問合せ:philcfsendaiaw@gmail.com (綿引)
■ 主催:せんだいメディアテーク、てつがくカフェ@せんだい
■ 助成:財団法人 地域創造

 

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この「読書会」について
「読書会」は、あるひとつの本を取り上げ、それを参加者みんなで一緒に読んでいくものです。この読書会では、ほかの人々と共に読むということを最大限活かし、ひとつの本に対する人々の多様な「読み方」を大切にします。そうして参加者どうしが協力し合い、触発し合って、〈震災〉という出来事を――それを直接に扱う「震災関連書」をひとりで読むだけでは辿りつけないようなところまで――深く「読み解く」ことができるような場でありたいと願っています。

 

課題本
『社会を変えるには』小熊英二(著)、講談社現代新書 ※第5章と第6章を中心に

 

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〈3.11以降〉読書会—震災を読み解くために— の進め方
この読書会では、以下のフェーズ(段階)を順にすすんで、何回かにわたってひとつの課題本をじっくりと、深く読み解き対話することを目指します。
なお、ここでの対話は普段近しいひとたちとする何気ない会話とは異なります。それは、会話を下支えし、日常を円滑に進めている“根本的な”事柄にあらためて光を当てる言葉のやりとりです。

 

・解釈フェーズ
課題本の一部分を音読しながら、著者の主張を一つひとつ、みんなで丁寧に確認し、共有していきます。

 

・再考フェーズ
解釈フェーズで共有された本の理解を土台に、著者の主張、本で用いられた概念等々に問いなおし、意見を交換し合い、必要に応じて課題本に立ち返っていきます。

 

・対話フェーズ
最後にあらためて、課題本を読んでわたしたちの心を捉えたものについて、今度はみんなで一緒になって考えます。課題本を読む前には無かった視点と言葉で〈震災〉を見て、考え、話していきます。

 

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「震災を読み解くために」読書会の理念

この「読書会」は、あるひとつの本を取り上げ、それを参加者みんなで一緒に読んでいくものです。ほかの人々と共に読むということを最大限活かし、ひとつの本に対する人々の多様な「読み方」を大切にします。そうして参加者どうしが協力し合い、触発し合って、〈震災〉という出来事を――それを直接に扱う「震災関連書」をひとりで読むだけでは辿りつけないようなところまで――深く「読み解く」ことができるような場でありたいと願っています。

 

私たちは、読書会というかたちで本を読むことが、単にひとりで本を読むときには得られないような、格別の効果をもたらすものだと考えます。

 

第一に、あるひとつのテキストを巡る多種多様な意見や思いに触れることによって、自分ひとりの理解がいかに特殊なものであるかを知ることができます。これを反対から言えば、本を読む営みのもつ豊かさに気づくことができるということです。ふだん多くの人にとって、ひとつの本を巡る解釈について誰かと熱く語り合う機会などそうないのではないでしょうか? そうだとしたら、ふだん自分がどのくらい、特殊な読み方をしているのかもわからないはずです。それは「読みの複数性」と言い表わすことができるような、読むことのもつ豊かさを引き出せていないということです。さらにまた、テキストを共に読むことで、読書会に参加する人々の(ふだんは隠された)多様性や他者性――彼らが自分とは異なる人間であるということ――に気づくことができます。これも日常の当たり障りない会話においては得難い体験ではないでしょうか。

 

また、第二に、読書会に参加し、他の参加者と協力することによってテキストと真に向き合うことができるというのも、読書会のもたらす効果のひとつです。さらにこの読書会は、「震災を読み解くために」、あくまで〈震災〉という出来事と関連するテキストを取り上げる予定ですから、テキストと真摯に向き合い、共に参加する人々の力を借りながら、「自分なり」を超えた読み方で〈震災〉という出来事を見つめ直すことができるという点にも、この読書会に参加することの意義が見いだせるはずです。

 

私たちは読書会という読みのかたちがもつ特性を最大限活かしながら、深く〈震災を読み解く〉ということ、また、そのための〈読みの力〉を鍛え上げていくことを理念として掲げ、その実現へと向けた努力を――参加者の方々と共に――重ねていきたいと考えています。

〈3.11以降〉読書会-震災を読み解くために-第15回レポート

写真1

≪今回の課題本≫
小熊英二著『社会を変えるには』(講談社現代新書)
※第五章と第六章を中心に

≪今回の読書会の報告≫

①はじめに読書会を進めるにあたっての注意点を確認しました。

前回の読書会の内容を簡単に振りかえりました。

③②を踏まえ<再考フェーズ>に入りました。この段階では課題本に書かれてあることについて「問い」を立て、適宜本を参照しながら皆でその問いについて考えていきます。
以下がこのフェーズで出された問いの一覧です。

1)トクヴィルが主張するように「自由民主主義」が成立するためには、強い「理念的な結びつき」が不可欠だというのは本当か。
1-a)トクヴィルは単に当時のアメリカ社会の特徴を挙げただけで、自由民主主義の成立に不可欠な条件を述べたわけではないのではないか。
1-b)そもそもアメリカ社会で自由民主主義が成立しているというトクヴィルの認識は誤っていたのではないか。
1-c)「理念的な結びつき」がどのように機能したおかげで当時のアメリカで自由民主主義が成立していたのか。

2)自由民主主義を再活性化させるための方途として著者が提案する「エンパワーメント(力づけ)」がつける「力」とはどんな力か。

3)著者は「自発的結社の活用」を提案し、しばしばNPOに言及するが、今でも巷にはNPOが多く存在するにもかかわらず、現状として自由民主主義が実現していないとしたら、それはなぜか。

など、これらの問いをもとに参加者同士で対話しました。

写真2
これらの問いを巡る対話の内容については、最下部にあるロングレポートをご覧下さい。


≪8月の読書会≫

1.次回の読書会 (8/24(日))は<対話フェーズ>に入ります。これまでの過程を踏まえたうえでテーマを設定し、てつがく対話を行う段階です。今回の読書会の最後に話し合った結果、対話のテーマは著書名と同じく「社会を変えるには」に決まりました。

2.次回読書会の最後に、9月以降の課題本を選びます。“震災を読み解くために”、みなさんの自由な観点で本を1冊お持ち寄りください。

3.はじめての方、紹介する本が無い方も参加できます。ぜひお越しださい。

写真3

 報告:綿引周(てつがくカフェ@せんだい)

ロングレポートはこちら
てつがくカフェ読書会〈3.11以降〉読書会-震災を読み解くために-第15回 ロングレポート(PDFファイル/143KB)

 

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