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3.11定点観測写真アーカイブ

第4回公開サロン「みつづける、あの日からの風景」

■日時:2012 年 10 月 27 日(土)14:00−16:00

■会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa

■参加無料、申込不要、直接会場へ

■問合せ:NPO法人20世紀アーカイブ仙台

tel 022-387-0656 fax 022-387-0651

e-mail npo@20thcas.or.jp

URL: http://www.20thcas.or.jp/

■主催:せんだいメディアテーク、NPO法人20世紀アーカイブ仙台

 

公開サロンでは、震災の記録写真を撮影した市民の方々をゲストに迎えます。震災後間もなく撮影された写真と、その後、震災から日が経つ中で撮影された写真を、撮影者ご本人に紹介して頂きます。これらの写真をもとに、震災体験を参加者のみなさんと話し合い、今後の定点観測にむけ、撮影の場所/時期/方法など、アイデアを一緒に考えます。

今回の公開サロンで紹介する写真

▶仙台市青葉区

・本が散乱する書店

・物資不足の中一番町のマルシェ・ジャポンに並ぶ人々

・地震で倒れたお雛様

・パン屋さんで配られた整理券

・地震直後の東二番丁通(五橋)を歩く人々

・停電中のためカーナビで情報収集

▶仙台市太白区

・震災直後の脱衣所

・停電のためろうそくで過ごす

▶仙台市若林区

・倒れた毘沙門堂の石灯籠

▶仙台市泉

・代替輸送のバスに長蛇の列

 

みなさんの震災記録写真を募集しています。

公開サロン当日、会場へ直接お持ちください。

ご自身で撮影した写真をDVDなどのメディアに記録し、各写真ごとに下記の掲載情報を添えておもちください。

 

1/撮影者名(ハンドルネーム可)

2/撮影場所 3撮影日時 ・携帯電話画像可

 

・仙台市、宮城県内市町村および東日本大震災で被害を受けた全地域。

・その写真についての特筆事項がありましたら、 お知らせください。

・写真は、NPO法人20世紀アーカイブ仙台とせんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」で共同所有させていただきます。

※この募集は定点観測写真に限ったものではありません。

3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクトとは

このアーカイブ・プロジェクトは、東日本大震災で被災した宮城県内各市町の震災直後の様子、および震災から定期的に定点観測し復旧・復興の様子を後世に残し伝えるために、市民の手で記録していくものです。これから市民のみなさまから記録者を募っていくとともに、その情報交換・活動の場を公開サロンとして定期的に行っていきます。 これらの定点観測写真は、NPO法人20世紀アーカイブ仙台とせんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」で記録・公開し、市民参加で震災を語り継ぐ記録としていきます。

宮城県新しい公共の場づくりのためのモデル事業

 

第4回3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト 公開サロン「みつづける、あの日からの風景」レポート

第4回目にあたる10月27日、今回も多くの方々にご参加いただきました。震災から1年7カ月。定点観測に答えがあるとは、まだ思えない。そんな中で、どう定点観測を続けていくのか、みんなで意見を交換しあいました。

今回ゲストで来ていただいた方が、3月13日に撮影した、「倒壊した鹿落旅館」の写真。

2011年3月13日倒壊した鹿落旅館

この定点観測として、当NPOが後日撮ったものが、こちらの写真。

2012年8月25日NPO法人20世紀アーカイブ仙台が撮影

この鹿落旅館の様子をご紹介した際には、鹿落旅館の3代目と、女将さんが来てくださり、震災当時の貴重なお話をしてくださいました。
この鹿落旅館のように、土地勘があれば、他の方が撮った写真でも定点観測は容易です。しかし、土地勘がない、場所の見当がつかない場合、場所を特定するのが非常に困難で、定点観測のひとつの壁と言えます。

先日、当NPOが石巻で行った定点観測においては、地元のかたに協力してもらい、場所を探し案内してもらいましたが、言われてもなお、ここだとわかるまでに時間がかかる。電柱の位置や、山の稜線など、ほんの少しの手がかりで定点観測を進めているのが現状です。今回のように、土地勘のある方と一緒に歩く、というのは、定点観測には非常に有効だと実感しました。またその際、地元のかたに、震災の話はもちろん、震災前の町の様子、歴史などのお話を伺うということも、大変興味深い体験となりました。数人でチームを組んで、現地のかたに案内をしてもらいながら、定点観測を一緒に進める、という言わば被災地ツアー的な物を、今後していけたらと思っています。

ゲストの方々から出された意見としては、「例えば荒浜をやるので何人か集まってくださいとお声がけをして、荒浜の仮設住宅のかたにもお声がけをして、数人で、数組に分かれて同じことをやると、一度に同じことができる、これをエリア的にやることで、面を点でつぶしていくことができる」というワークショップをしたらどうかという意見や、「場所が特定できない写真については、公募したらどうか。「この付近わかる人いませんか?」と声を掛けて問いかけてみる。すると、近くに住んでいる人やわかる人が教えてくれるのではないか」という提案がありました。実は、撮った本人に「場所がわからない」と言われたことがあり、これは定点観測には向かない写真だと思っていたが、このやりかたにより、もしかしたらわかる人が出てくるかもしれない。そうすれば、さらに多くの定点観測を進めることが可能になります。
「自分で撮っていては判断できない部分がある。どういう写真だったら残す価値があるのか、がわからない。何を定点観測するのか、そういう情報を共有できたら、今後のきっかけづくりになると思う」という意見や、「アフターの写真も、もうかなり集まってきていると思うので、それらを早めにアップして、「こう変わってきていますよ」というのを周りに見せたほうがいい。ネットの中でコミュニティがあれば、こういう動きがあるんだ、とか、じゃあ自分もここを撮ってみよう、とか、それを見た一般の人が動き始めてくれるのでは」という意見が出ました。これらはどちらもネット上で早めに対応したいと思っています。

発表の様子

東京からいらしてくれたかたは、「大きな被害が目に見てわかる、というものに意識が集まりがち。しかし例えば、無名な場所の写真があって、ここにもう一回行ってみよう、というコンセプトがいいと思った。定点観測は「もう一回行ってみよう」の積み重ねだと思う。これからは、誰かが残した記録に対して、レスポンスを返していく、ということが大切では」とお話ししてくれました。

他にも「ネットを使える人、使えない人とをつなげていく手段を考えていかなければならない」「色んなアプローチの仕方をすることで、カジュアルな感じで個人個人みんなが関われるような形で続けていけば、有意義な定点観測になるのでは」など、今回も、いいヒントをたくさんいただきました。

関心を持ち続ける、興味を持ち続けるには。次の世代に残すには。そのためには、次の世代の人とも一緒にやっていかなければ、この活動は長く続かない。若いかたたちと、後世に残す意味を一緒に考えながら、今後も定点観測を続けていこうと思っています。

鹿落旅館の旗

報告:NPO法人20世紀アーカイブ仙台

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