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せんだいメディアテーク
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3.11定点観測写真アーカイブ

第11回公開サロン「みつづける、あの日からの風景」

■日時:2013 年 8 月 3 日(土)15:00−17:00
■会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア
■参加無料、申込不要、直接会場へ

■問合せ:NPO法人20世紀アーカイブ仙台

tel 022-387-0656 fax 022-387-0651
e-mail npo@20thcas.or.jp
URL: http://www.20thcas.or.jp/
■主催:せんだいメディアテーク、NPO法人20世紀アーカイブ仙台

 

公開サロンでは、震災の記録写真を撮影した市民の方々をゲストに迎えます。震災後間もなく撮影された写真と、その後、震災から日が経つ中で撮影された写真を、撮影者ご本人に紹介して頂きます。これらの写真をもとに、震災体験を参加者のみなさんと話し合い、今後の定点観測にむけ、撮影の場所/時期/方法など、アイデアを一緒に考えます。

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これまでの公開サロンについては、3がつ11にちをわすれないためにセンターのウェブサイトをご覧ください。

3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト(3がつ11にちをわすれないためにセンター内)

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みなさんの震災記録写真を募集しています。公開サロン当日、会場へ直接お持ちください。

ご自身で撮影した写真をDVDなどのメディアに記録し、各写真ごとに下記の掲載情報を添えておもちください。

1撮影者名(ハンドルネーム可)
2撮影場所
3撮影日時
・携帯電話画像可。
・仙台市、宮城県内市町村および東日本大震災で被害を受けた全地域。
・その写真についての特筆事項がありましたら、 お知らせください。
・写真は、NPO法人20世紀アーカイブ仙台とせんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」で共同所有させていただきます。

※この募集は定点観測写真に限ったものではありません。

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3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクトとは

このアーカイブ・プロジェクトは、東日本大震災で被災した宮城県内各市町の震災直後の様子、および震災から定期的に定点観測し復旧・復興の様子を後世に残し伝えるために、市民の手で記録していくものです。これから市民のみなさまから記録者を募っていくとともに、その情報交換・活動の場を公開サロンとして定期的に行っていきます。

 

これらの定点観測写真は、NPO法人20世紀アーカイブ仙台とせんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」で記録・公開し、市民参加で震災を語り継ぐ記録としていきます。

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第11回3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト 公開サロン「みつづける、あの日からの風景」レポート

写真1
第11回となった今回は、2名のゲストの方をお迎えし、それぞれが撮られた写真を紹介していただきました。
おひとり目の方からは、長町の商店街で買い物に並ぶ人々、支援物資を送る人々、おふたり目の方からは水汲みに並んでる人々の様子や早朝からダイエーに並んでいる様子について、当時のことを振り返りながらお話いただきました。おふたりともお子さんがいらして、一緒に写真を見る、一緒に被災現場を見せたということが印象的でした。
さて、当NPOが取り組む「定点観測」ですが、写真を定点観測撮影することで、それをどう活用できるのかということを考えていますが、そのひとつとして取り組んでいるのが「3.11ツアー」というもので、当NPOのインターン生が、この震災の風化を防ぐため、非被災地の方を対象にした仙台市・名取市沿岸部のツアーを考え、企画し、実際にツアーが行われ、その様子をご紹介させていただきました。
「3.11ツアー」の中では、実は震災のことだけを学んでいるのではなく、その町の成り立ちだとか、例えば町名・地名に関しても、どんな意味があるんだろう、という所から自分たちで学んで、それをツアーガイドとして話せるようになるということ、つまり震災後の話だけではなくて、震災前の生活や文化、そういったことも含めて伝えていかなければいけない、という考えで学生たちがチャレンジしてくれています。ご来場者のお話を伺いながら、改めて大事な作業であると思いました。
ご来場の方からは、震災前の写真から集めないと、定点観測という意味がないのではないか。実際住んでいた人がどのように生活をしているかなどの肉付きがないと、ただ写真を観るだけになってしまうのでは、という意見が出されました。震災後入手困難な資料ですが、全く同じ場所から撮ったものがないにしても、その地域で残っているものをこれから探して残していくのが課題です。

写真2

(参加者からの質問を受ける、ゲストのおふたり)
ゲストの方からは「定点観測」について、ビフォーアフターという意味では過去と現代ということだけではなくて、これを未来にどういうふうにつなげていくのか。これを教訓に新しいまちづくりだったり、災害に強いまちづくりに活かしていければ、孫世代にも役立つのではないか、というお話がありました。これについては、震災直後と今という、過去と現在というものを見比べることで、未来へのまちづくりなどに活かしていけるのでは、と考えます。
また、もうおひとりのゲストの方からは、震災直後は街全体がいつになったら通常の状態に戻るのか、というのが一番不安だった。もしこういった災害がまたどこかであった時には東日本大震災の実態を写し撮った定点写真がタイムスケジュールのように、利用することができるのではないか、というお話がありました。例えば田んぼの除塩は、最初は何年もかかるだろうと言われていた中で、名取IC付近の田んぼはたった2年で再生されたということが分かる資料になると思います。
3.11をどう伝えていくかについて、私たちは、写真を撮れる人が撮った写真を収集・保存して、将来活用できるようにしたいという想いでアーカイブ活動を進めているつもりですが、撮った人ご本人でなければその写真の持つ意味を100%理解できません。まして、世代が変われば当然記憶は風化し、時間とともに段々薄らいでいくことにつながります。
「どう伝えていくか」というテーマの一番の肝は、将来3.11を振り返った時に、仙台、宮城はこうやって復旧してきたんだ、こういう道のりで復興されてきたんだということが分かる資料になっていて欲しいということ。後世の人が見た時に、まちの復興して経緯がきちんと分かるものを作り残したい思っております。そのためのアーカイブ活動だと思っていますし、それができるのは経験した私たちしかいないのだと思っています。
最後に、当NPOがこれから取り組む震災アーカイブについてですが、仙台市の震災メモリアル市民共同プロジェクトの中で「伝える学校」がスタートすることになりました。これは仙台市の震災メモリアルで、3.11をどう伝え残していくのかということを皆で考えようということです。当NPOもこちらに関わらせていただく事になりました。今月18日にスタートするプロジェクトで、年度内に5回、会場は市民活動サポートセンターで、実務的なアーカイブと、技術的、アート的に残すということを5回開催し、将来の仙台にとって意味のある震災の記録、「震災を伝える」ということを市民全体で考えるきっかけにしたいということで開催されます。みなさまぜひ足をお運びください。

報告:NPO法人20世紀アーカイブ仙台

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