〈3.11以降〉読書会-震災を読み解くために-第19回
■ 日時:2014 年 12 月 28 日(日)17:00−19:00
■ 会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa
■ 参加無料、申込不要、直接会場へ。課題本をご持参ください。
■ 問合せ:philcfsendaiaw@gmail.com (綿引)
■ 主催:せんだいメディアテーク、てつがくカフェ@せんだい
■ 助成:一般財団法人 地域創造
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この「読書会」について
「読書会」は、あるひとつの本を取り上げ、それを参加者みんなで一緒に読んでいくものです。この読書会では、ほかの人々と共に読むということを最大限活かし、ひとつの本に対する人々の多様な「読み方」を大切にします。そうして参加者どうしが協力し合い、触発し合って、〈震災〉という出来事を――それを直接に扱う「震災関連書」をひとりで読むだけでは辿りつけないようなところまで――深く「読み解く」ことができるような場でありたいと願っています。
課題本
『聖地Cs』木村友祐著、(新潮社)
※収録作品のうち、「聖地Cs」のみを取り上げます。
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〈3.11以降〉読書会—震災を読み解くために— の進め方
この読書会では、以下のフェーズ(段階)を順にすすんで、何回かにわたってひとつの課題本をじっくりと、深く読み解き対話することを目指します。
なお、ここでの対話は普段近しいひとたちとする何気ない会話とは異なります。それは、会話を下支えし、日常を円滑に進めている“根本的な”事柄にあらためて光を当てる言葉のやりとりです。
・解釈フェーズ
課題本の一部分を音読しながら、著者の主張を一つひとつ、みんなで丁寧に確認し、共有していきます。
・再考フェーズ
解釈フェーズで共有された本の理解を土台に、著者の主張、本で用いられた概念等々を問いなおし、意見を交換し合い、必要に応じて課題本に立ち返っていきます。
・対話フェーズ
最後にあらためて、課題本を読んでわたしたちの心を捉えたものについて、今度はみんなで一緒になって考えます。課題本を読む前には無かった視点と言葉で〈震災〉を見て、考え、話していきます。
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「震災を読み解くために」読書会の理念
この「読書会」は、あるひとつの本を取り上げ、それを参加者みんなで一緒に読んでいくものです。ほかの人々と共に読むということを最大限活かし、ひとつの本に対する人々の多様な「読み方」を大切にします。そうして参加者どうしが協力し合い、触発し合って、〈震災〉という出来事を――それを直接に扱う「震災関連書」をひとりで読むだけでは辿りつけないようなところまで――深く「読み解く」ことができるような場でありたいと願っています。
私たちは、読書会というかたちで本を読むことが、単にひとりで本を読むときには得られないような、格別の効果をもたらすものだと考えます。
第一に、あるひとつのテキストを巡る多種多様な意見や思いに触れることによって、自分ひとりの理解がいかに特殊なものであるかを知ることができます。これを反対から言えば、本を読む営みのもつ豊かさに気づくことができるということです。ふだん多くの人にとって、ひとつの本を巡る解釈について誰かと熱く語り合う機会などそうないのではないでしょうか? そうだとしたら、ふだん自分がどのくらい、特殊な読み方をしているのかもわからないはずです。それは「読みの複数性」と言い表わすことができるような、読むことのもつ豊かさを引き出せていないということです。さらにまた、テキストを共に読むことで、読書会に参加する人々の(ふだんは隠された)多様性や他者性――彼らが自分とは異なる人間であるということ――に気づくことができます。これも日常の当たり障りない会話においては得難い体験ではないでしょうか。
また、第二に、読書会に参加し、他の参加者と協力することによってテキストと真に向き合うことができるというのも、読書会のもたらす効果のひとつです。さらにこの読書会は、「震災を読み解くために」、あくまで〈震災〉という出来事と関連するテキストを取り上げる予定ですから、テキストと真摯に向き合い、共に参加する人々の力を借りながら、「自分なり」を超えた読み方で〈震災〉という出来事を見つめ直すことができるという点にも、この読書会に参加することの意義が見いだせるはずです。
私たちは読書会という読みのかたちがもつ特性を最大限活かしながら、深く〈震災を読み解く〉ということ、また、そのための〈読みの力〉を鍛え上げていくことを理念として掲げ、その実現へと向けた努力を――参加者の方々と共に――重ねていきたいと考えています。
〔 市民団体、震災復興、<問い>をたてる 〕〈3.11以降〉読書会-震災を読み解くために-第19回レポート
今回は読書会ではじめて“小説”を取り上げ、どんな対話になるか楽しみにしながら当日を迎えました。参加者には事前に課題本『聖地Cs』木村友祐著、(新潮社)を読んできていただいており、最初に本を読んだ感想を話し合うことから読書会は始まりました。
物語全体から、社会の役割を失った時に何が残るかについて考えたり、震災の本当の姿をとらえきれていないと感じたという意見もある一方で、印象に残った場面や登場人物について語ってくださる方もあり、参加者それぞれに読み方の違いがあることを感じました。物語には原発事故の影響で被爆した牛がでてきますが、生きようとする牛のリアルな描写が印象に残ったという意見や、牛も人も資源として消費される世界で、消費される価値のなくなったものの尊厳についてはあまり考えてこられなかったのではないかという意見も語られました。
後半は少し話題を絞り、物語の登場人物について話し合いました。殺処分を命じられた牛を生かし続けながら渋谷で街頭演説を繰り返す牧場主のしたたかな強さや「なかったことにしたくない」という思い、社会的な“弱者”として描かれている主人公が牧場へボランティアに来てからの変化や最後に「高らかに笑う」場面をどう考えたかなどが話題になりました。参加者のいろいろな視点からの話を聞くことで、自分で読んだときにはあまり印象に残らなかった登場人物にもそれぞれの立ち位置があることがわかり、物事の見え方も違ってくることに気づかされます。もう一度小説全体をふり返り、それぞれの主義主張によって人は役割をもつこと、生き方を選ぶことは何かをあきらめることでもあることが描かれているのではないかという声がありました。
次回も引き続き同じ本を取り上げ、“この本に書かれているのはどんな物語か?”という問いかけから対話をはじめる予定です。気になる部分を拾いあげ、時には声に出して読みながら、ゆっくりと本を読み進めていきます。読書会では途中からの参加も歓迎しています。ぜひご参加下さい。
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報告:齋藤さかえ(てつがくカフェ@せんだい)
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第10回「震災と美徳」■ 日時:2012 年 4 月 29 日(日・祝)15:00−17:00 ■ 会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア ■ 参加無料、申込不要、直接会場へ ■ 問合せ:tanishi@hss.tbgu.ac.
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第9回「映画『プリピャチ』から考える」(シネマ)■ 日時:2012 年 3 月 18 日(日)17:00−19:00 ■ 会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオb ■ 参加無料、申込不要、直接会場へ ■ 問合せ:tanishi@hss.tbgu.ac.jp (西
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第7回「故郷(ふるさと)を失う?」(要約筆記つき)■ 日時:2012 年 1 月 22 日(日)16:00−18:00 ■ 会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア ■ 参加無料、申込不要、直接会場へ ■ 問合せ:tanishi@hss.tbgu.ac.jp
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第6回「被災者の痛みを理解することは可能か?」(要約筆記つき)■ 日時:2011 年 12 月 24 日(土)16:00−18:00 ■ 会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア ■ 参加無料、申込不要、直接会場へ ■ 問合せ:tanishi@hss.tbgu.ac.j
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第5回「切実な〈私〉と〈公〉、どちらを選ぶべきか?」(要約筆記つき)■ 日時:2011 年 11 月 27 日(日)12:00−14:00 ■ 会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア ■ 参加無料、申込不要、直接会場へ ■ 問合せ:tanishi@hss.tbgu.ac.j
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第4回「震災の〈当事者〉とは誰か?」(要約筆記つき)■ 日時:2011 年 10 月 23 日(日)16:00−18:00 ■ 会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア ■ 参加無料、申込不要、直接会場へ ■ 問合せ:tanishi@hss.tbgu.ac.j
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第3回「〈支援〉とはなにか?」■ 日時:2011 年 9 月 25 日(日)16:00−18:00 ■ 会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア ■ ゲスト:鳴海幸(看護師・キャンナス仙台中央代表) ■ 参加無料、申込不要、直接会場へ ■
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