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てつがくカフェ

〈3.11以降〉読書会-震災を読み解くために-第18回

■ 日時:2014 年 11 月 23 日(日)17:00−19:00
■ 会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa
■ 参加無料、申込不要、直接会場へ。
■ 問合せ:philcfsendaiaw@gmail.com (綿引)
■ 主催:せんだいメディアテーク、てつがくカフェ@せんだい
■ 助成:財団法人 地域創造

 

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この「読書会」について
「読書会」は、あるひとつの本を取り上げ、それを参加者みんなで一緒に読んでいくものです。この読書会では、ほかの人々と共に読むということを最大限活かし、ひとつの本に対する人々の多様な「読み方」を大切にします。そうして参加者どうしが協力し合い、触発し合って、〈震災〉という出来事を――それを直接に扱う「震災関連書」をひとりで読むだけでは辿りつけないようなところまで――深く「読み解く」ことができるような場でありたいと願っています。

 

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〈3.11以降〉読書会—震災を読み解くために—

この読書会では、何回かにわたってひとつの課題本をじっくりと、深く読み解き対話することを目指します。
なお、ここでの対話は普段近しいひとたちとする何気ない会話とは異なります。それは、会話を下支えし、日常を円滑に進めている“根本的な”事柄にあらためて光を当てる言葉のやりとりです。

 

今回の〈3.11以降〉読書会では、参加者どうしの「対話」を通して、これまでにみなさんに紹介していただいた以下の本のなかから、12月以降に読む課題本を考えます。

1)寺田寅彦著『天災と日本人 寺田寅彦随筆選』(角川ソフィア文庫)

2)川崎市岡本太郎美術館編『岡本太郎と日本の祭り』(二玄社)

3)エミリー・マッチャー著/森嶋マリ訳『ハウスワイフ2.0』(文藝春秋)

4)木村友祐著『聖地Cs』(新潮社)

5)西垣通著『ネット社会の「正義」とは何か 集合知と新しい民主主義』(角川学芸出版)

まず、本の紹介者の方に内容を説明していただき、思ったことや感じたことなどを出し合います。そして、「震災を読み解くための本とはどういうものか」「いま、この場で、みんなで読み解くべき本とはどういう種類のものか」といった根本の部分を改めて問い、「対話」を通して考えを深めながら、12月以降に読んでいく本を考えます。

〈3.11以降〉読書会は、レクチャーでもディベート大会でもありません。誰か先生のような人が本の読み方を教えたり、見解を述べたりする場ではありませんし、参加者のみなさんの発言を、わかりやすさなどにより勝ち負けで判定する場でもありません。本を題材に、さまざまな人々が互いの立場や経験の違いを前提としつつ、言葉を交わすこと=「対話」を実践する場です。なかなか相手の考えを受け入れられない、自分の思うことが相手に伝わらないというように、「対話」は決して楽な作業ではありませんが、日常で問い返されることのない自分の世界を見つめ直し、それを広げる貴重な機会を与えうる行いでもあります。さらにまた、参加するための資格を問わないというのも重要な特徴です。

〈3.11以降〉読書会はもうすぐ20回目を迎えようとしていますが、今回は原点にまで遡りつつ、これからの読書会の方向を、集まったみなさんで今一度話し合う会になります。ですから、これまで読書会に参加したことのある方だけでなく、まだ参加したことのない方にも十分お楽しみいただけると思います。みなさんのご参加をお待ちしています。

 

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「震災を読み解くために」読書会の理念

この「読書会」は、あるひとつの本を取り上げ、それを参加者みんなで一緒に読んでいくものです。ほかの人々と共に読むということを最大限活かし、ひとつの本に対する人々の多様な「読み方」を大切にします。そうして参加者どうしが協力し合い、触発し合って、〈震災〉という出来事を――それを直接に扱う「震災関連書」をひとりで読むだけでは辿りつけないようなところまで――深く「読み解く」ことができるような場でありたいと願っています。

 

私たちは、読書会というかたちで本を読むことが、単にひとりで本を読むときには得られないような、格別の効果をもたらすものだと考えます。

 

第一に、あるひとつのテキストを巡る多種多様な意見や思いに触れることによって、自分ひとりの理解がいかに特殊なものであるかを知ることができます。これを反対から言えば、本を読む営みのもつ豊かさに気づくことができるということです。ふだん多くの人にとって、ひとつの本を巡る解釈について誰かと熱く語り合う機会などそうないのではないでしょうか? そうだとしたら、ふだん自分がどのくらい、特殊な読み方をしているのかもわからないはずです。それは「読みの複数性」と言い表わすことができるような、読むことのもつ豊かさを引き出せていないということです。さらにまた、テキストを共に読むことで、読書会に参加する人々の(ふだんは隠された)多様性や他者性――彼らが自分とは異なる人間であるということ――に気づくことができます。これも日常の当たり障りない会話においては得難い体験ではないでしょうか。

 

また、第二に、読書会に参加し、他の参加者と協力することによってテキストと真に向き合うことができるというのも、読書会のもたらす効果のひとつです。さらにこの読書会は、「震災を読み解くために」、あくまで〈震災〉という出来事と関連するテキストを取り上げる予定ですから、テキストと真摯に向き合い、共に参加する人々の力を借りながら、「自分なり」を超えた読み方で〈震災〉という出来事を見つめ直すことができるという点にも、この読書会に参加することの意義が見いだせるはずです。

 

私たちは読書会という読みのかたちがもつ特性を最大限活かしながら、深く〈震災を読み解く〉ということ、また、そのための〈読みの力〉を鍛え上げていくことを理念として掲げ、その実現へと向けた努力を――参加者の方々と共に――重ねていきたいと考えています。

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